アメリカ最新寿司事情 1999.3.31
 ゛SUSHI"(寿司)は、アメリカ人にとって、今や英語として堂々と通用し、こちらの寿司屋のカウンターに座ると、80%がアメリカ人の客で占められている現象を見ます。客も寿司を注文する時には、魚の名は日本名で注文するのも堂に入ったものです。「トロ?ハマチ?」などと、日本語の名を使って握っている寿司職人も、最近は日本人の職人よりも、アメリカ人の職人の居る店が多くなり、アメリカで寿司屋に入ると、妙な気分になることしばしの、アメリカ寿司屋事情の昨今です。

 成人病がクローズアップされてから、ステーキなどを常食にしていた、アメリカ人がコレステロールを気にしだし、魚を食べるようになったのが、十年前頃からの傾向です。最近の医学ジャーナルの発表などで、魚の脂肪が身体に良いとか、海草類を食べていると、癌にかかりにくい、はたまた、日本茶も癌にいい様だ等と、アメリカの皆さんも、一億総ドクターになったように、わが身を可愛がってのことか、それとも一度味わった、お醤油のトリコになったのか、空前の寿司ブームが巻き起こっております。

 30年前に刺し身の話しをアメリカ人にすると、生で魚を食べる野蛮人のようなヒンシュクを買ったものですが、最近は日系ではなく、アメリカのスーパーマーケットに、巻き寿司のパックが必ず置いてあり、世の中も変ったものです。ランチアワーには背広姿のアメリカ人のサラリーマンが、寿司パックを買っている姿を、よく見かけます。今や江戸前の寿司文化は、すっかりアメリカに定着しました。

 カリフォルニア州公認寿司職人訓練校『カリフォルニア寿司アカデミー』なる学校まで開設され、9月には第1期卒業生を出したと、テレビで報道しておりました。コースは基礎科、高等科に分かれて、それぞれ3ヶ月の特訓を受け、職人としての技術の習得だけでなく、衛生面や食べあわせの知識なども含め幅広い指導をされ、免許皆伝の前日には、筆記試験まで有るとのことです。面白いのが、生徒の人種構成も、メキシコで寿司屋を夢見ている、もとメキシコのシェフや韓国人、中国人、アメリカ四世や、わざわざヨーロッパから受講に来た人などさまざまで、空前の寿司ブームを表しております。同校の生徒の増加は著しく、ニューヨーク、シカゴ、シアトルにも、分校開設の予定があるとのことです。また、料理が趣味の人には、土曜日に受講料65ドルで、半日の職人体験ができ、このクラスなどは、エリートサラリーマンのヤッピーなどが、仕事からのリフレッシュもかねて受講している人は多く、日本人もビックリの珍現象が、南カリフォルニアでおこっております。

 やはり江戸前寿司は、粋な寿司職人と会話を楽しみながら、つまむところに寿司カウンターの良さがあるものです。寿司職人が国際化したとは言え、外人に握ってもらうのには、妙な抵抗があるものです。


 


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